「期間のfor」というのは、たとえば以下の文に出てくるようなforを指します。
I ran in the park for two hours.(公園で2時間走った。)
ふつう、このforを省略することはできません。
しかし、以下のように一部の動詞では期間のforを省略することができます。(会話では省略する方が普通です。)
- wait → I waited (for) two hours.(私は2時間待った。)
- stay → We stayed (for) three nights.(私たちは3晩泊まった。)
- live → She lived (for) ten years in Paris.(彼女はパリに10年住んだ。)
- last → The movie lasted (for) two hours.(その映画は2時間続いた。)
- continue → The rain continued (for) three days.(雨は3日間続いた。)
- delay → The flight was delayed (for) two hours.(飛行機が2時間遅延した。)
動詞のリストを見ていると、意味の共通点があることにお気付きでしょうか。
期間のforを省略できる動詞は、「状態の継続を表す動詞であり、(意味の上で)期間を示すことがほとんど必須である」という共通点を持っています。期間のforがなくても、後続の語句が期間を表すことが明らかなので、わざわざforを言わないということですね。
ただ、これらの動詞であっても、動詞と期間の間に他の語句が挟まると、forが必要になります。これは、forがあった方が意味の塊が分かりやすいからと思われます。
- I waited for you for two hours.(私はあなたを2時間待った。)
- We stayed at the hotel for three nights.(私たちはそのホテルに3晩泊まった。)
- She lived in Paris for ten years.(彼女はパリに10年間住んだ)。
こうした細かなことは、知識として学習しても、定着はなかなか難しいです。「たくさんの英文を読んで慣れていくことで自然と習得する」のが好ましいです。
(補足)
「継続を表す動詞」と似た概念で、「状態動詞(stative verbs)」というものがあります。「状態動詞」とは、動作や変化ではなく状態を表す動詞で、現在進行形ではなくとも「~している」と訳す動詞です。
たとえば以下の動詞は状態動詞であり、継続を表す動詞ではないので、forを省略することはできません。
- own → I’ve owned this car for ten years.
- belong → That book has belonged to me for ages.
- know → I’ve known her for twenty years.
- love / like / hate → I’ve loved jazz for a long time.
- believe → They’ve believed that for centuries.
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